かぴばら先生は語る

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小説、アニメ、マンガ、文学からエンタメまで色々と話せたらと思い、ブログを開設。興味のある方はぜひご覧になってください。

「放課後のゲームフレンド、君のいた季節」こんなラノベがあったのか!

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今回はMF文庫Jから出版されている、むらさきゆきや先生「放課後のゲームフレンド、君のいた季節」について紹介していきたいと思います!

正直この作品を紹介するか否か迷っていました。

と云うのも、この作品に関しては、どの場面、どの内容を説明してしまうだけでネタバレになってしまう恐れがあるんですよね。

ただの青春物語を描いたライトノベルではないんです。

青春ストーリーが進む中、ほんのちょっぴり見え隠れする暗闇。

その暗闇は恐ろしいはずなのにメインに据える主人公とヒロインのストーリーを据えることでうまい具合に軌道修正を行っている。

これは作家の力量が伺えます。

主のストーリーの裏に何か不穏な空気のはらんだ感じです。

感覚的に申し上げると、個人的にこの作品はある作品のようだな、似ているかもしれないな、なんて思った作品があります。

それが芥川作品です。

芥川龍之介です。

芥川の作品も主のストーリーの裏にいくつかの謎が存在しています。

有名な作品に「藪の中」などがありますね。

「藪の中」に関してはいわゆるミドルストーリーなんて呼ばれています。

このラノベを読んで私は意外にも芥川作品を思い浮かべたんですね。

しかしよくよく考えてみると案外通底しているな、と思いました。

何故か?

どこか似ているんですよね。

トーリーを覆っている焦燥感に似た不思議な雰囲気とか。

そして物語の帰結、締め方とか。


芥川作品もこのライトノベル作品も、

どちらも読者が思い描いていた最後とは180度違ったものを用意している。

そしてどちらも決まって読者を良い意味でも悪い意味でも困らせるんです。

詳しく紹介していきましょう!

ぼっち美少女は廃ゲーマー

 
主人公のリオはオンラインゲームの一つMMORPGクロスレヴェリにおいて卓越した反射神経で《上位喰い》の異名を持っていた。


そんなリオはある日妖精のように可憐な容姿を兼ね備えた美少女、観月夢亜と出会う。

しかし彼女は廃ゲーマーで性格には難アリの残念系ぼっち美少女だった!

そんな夢亜に気に入られてしまったリオは彼女と放課後にゲームをするようになった。

夢亜が引き起こす数々のトラブルに見舞われながらも仲良くなっていく二人。

そんな楽しい日常が、ずっと続くと思っていた。けれども彼女には秘密があって――。

というのが本書の裏表紙のあらすじを簡単に加筆修正した内容。

ここからは若干先の話まで話してしまおうと思います。

彼女の秘密と云うのが、

病気。来年には死んでしまう。

しかしその病気は手術で治るらしい。

けれど手術を行う個所は脳なんです。

成功すれば病気は治る。失敗すれば死んでしまう。

それを知ったリオはどうするのか?

リオは夢亜を救うことができるのか?

気になりますね。

読んだ感想

 
この作品の面白いところは何と云っても青春学園トーリーの日常シーン。

リオと夢亜が出会う。

ゲームを通じて仲良くなっていく。

彼女の秘密を知る。

そして決断するリオ。

そんな主要場面の間間に織りなされる日常シーン。

彼と彼女の徐々に変化していく関係性を日常シーンを通して感じていけるってのはこういった青春ストーリーの醍醐味ですね。

徐々に近づいて確固たる関係性を築いていく二人を見ているとページを捲りながらニヤニヤが止まりませんでした。

そして今作一番に驚かされたのは最初の方でも触れた通り、最後の最後、予想だにしないカタストロフが待ち受けています。

ちょっとこれはネタバレでしたかね。ま、いっか(笑)

と云うことで「放課後のゲームフレンド、君のいた季節」の紹介でした!

皆さん読んでみてください!

最後に

 
今回はライトノベルから一作品紹介させていただきました!

皆さんどうでしたか?

それでは今回はここまで!

( ´Д`)ノ~バイバイ

現代作家、鬼才・天才のデビュー作「くっすん大黒」が面白すぎる!

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まさにパンク文学なんて呼ばれている町田康作品の数々。

そんな中から今回は町田康さんの処女作「くっすん大黒」について紹介します!

現代小説でありながら文章からにじみ出るのは近代で活躍した文豪のような空気なんです。

でありながら近代小説では表せられない現代ならではの下らなさが面白い!

詳しく紹介していきましょう!

「くっすん大黒」

くっすん大黒 (文春文庫)

くっすん大黒 (文春文庫)

 

 
三年前に、ふと働くのが嫌になって仕事を辞めた。

それ以降妻のすねをかじって毎日酒を飲むのに明け暮れ、ぶらぶらしていた。

いわゆるヒモ状態。

そんな状態がずっと続いていたら、ある日妻が家を出て行ってしまった。

酒を買う金もない。なにもない。

誰もいない部屋でぶつぶつ一人愚痴を呟く日々が続いた。

そんな誰もいない部屋で不愉快極まりない「大黒」が転がっている。

今日こそはこれを捨ててきてやる!

そうして彼は外に出て「大黒」を捨てるべく奮闘するのだが、何故だか彼はおかしな珍事件に巻き込まれていく。

内容自体はとても下らないことばかりなのだけれどそこが逆に人間ぽいと云うかとても親近感をわくと云うか。

そんな物語をパンクな文章で飾り付けられていて読んでいて気持ちいいんですよ!

読んでいて単純に楽しいのです!

読んだ感想


現代でこんな小説を読めるなんてのは本当に素晴らしい読書体験ですね。

純粋な純文学と云うよりもただただ面白いから笑って可笑しいから笑ってと云う感じの娯楽小説として楽しめるこの作品。

読書が億劫、文章を読んでいることそのものが辟易としてしまう方とかでも、この作品なら読んでこの小説の世界に引き込まれていくのではないでしょうか?

私は終始この作品を読んでいて笑いながらページを繰っていました。

何だかだんだん文章自体に惚れていくんですよね。

文章が本当に面白い!

近代文学的でありながら現代小説の良さを存分に生かしているんです。

だからこそたくさんの読者から熱狂的な支持をもらって、「町田康は文学の新世紀を切り拓いた」なんて云われていたりと、最高の支持を受けています。

そして表題作の「くっすん大黒」以外にも、もう一つの中編作品、「河原のアパラ」こちらも「くっすん大黒」と同じくらい下らなく、なのに面白い作品となっておりますので是非ご一読をお勧めします。

最後に


今回は初めての純文学を紹介しました。

純文学と云っても皆様が思っているような純文学作品とはちょっと違っているかもしれませんが。

しかしだからこそ面白い!

こういう作品は滅多にお目にかかれませんからね!

と云う訳で今回はここまで!

最後まで読んでくださった方有難うございました。

ではでは!( ´Д`)ノ~バイバイ

くっすん大黒 (文春文庫)

くっすん大黒 (文春文庫)

 

おすすめSF作品!「盤上の夜」は六編で新たな宇宙を創り上げた!

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日本SF大賞受賞、処女作で直木賞にノミネート!

今回紹介するのは宮内悠介さんのデビュー作「盤上の夜」です!

短編六編から成るこの作品。それぞれの作品では囲碁、麻雀、将棋などのテーブルゲームを話の核として物語が展開していきます。

簡単な話がそれら盤上遊戯で人知を超えた何かを見た人たちの物語と云うことです。

詳しい話をしていきましょう!

「盤上の夜」

盤上遊戯がつないだ六編の物語 


一遍目の話は先述しました表題作「盤上の夜」です。

「盤上の夜」もさることながらその他の五編の作品もとても素晴らしい作品なので簡単ではありますがご紹介します。

二編目の作品が「人間の王」

チェッカーと云う盤上遊戯で四十年間無敗の天才がいました。

その名がマリオン・ティンズリー。

しかしその盤上遊戯は2007年に完全解が証明されていた。

四十年間も守り続けていたものをコンピュータに破られた、その時の天才の心境は?

三編目の作品が「清められた卓」

協会から存在自体を抹消された麻雀のタイトル戦があった。

そのタイトル戦は異様なものだった。

一人の天才プロ雀士、アスペルガー症候群の9歳の少年、一人の女性を追いかけてきた精神科医、そして宗教団体の教祖の女性。

この四人が卓に並んだとき、それは今まで知っていた麻雀ではなかった。

四編目の作品が「象を飛ばした王子」

ブッダの息子である王子が国を救うために奮闘する。

しかし王子には決定的に何か欠落していた。

王子には国を治める素質がなかったのだ。

そんな王子は現実の世界よりも架空の世界、盤上遊戯チャトランガーに熱心になった。

王子は思った。

チャトランガーでは象は飛ぶのになぜ現実では象は飛ばないのか。

五編目の作品が「千年の虚空」

葦原兄弟が織部綾に翻弄された人生。

弟の方は将棋を追究することによって現実世界に影響を与えようとしていた。

兄の方はゲームを殺すゲームで世界を変えようとした。

そしていつもその二人の陰には織部綾と云う人物が潜んでいる。

六編目の作品が「原爆の局」

この作品にて灰原 由宇が再登場。

灰原との再戦を望む井上プロ。

灰原たちを追って語り手のジャーナリストと井上はアメリカに立つ。

そこには原爆を落とされるまで囲碁を打っていたとある一局が関係してくるのだった。

どうでしょう? 興味を抱きましたでしょうか?

読んだ感想


この作品内には先に述べた通り六編の作品が存在する。

その作品のいずれの語り手も一人のジャーナリストと云う同一人物です。

この最高の語り手を得たことによってこの作品は最高傑作に完成しました。

それぞれの短編にはこれと云う接点はありません。

しかし何か深い底の所で通底している何かがある。

それを如実に表そうとしているのがこのジャーナリストだと思うのです。

そのことによって各作品ごとに描かれる人知を超えた何かが作品を追うごとに何となく理解できていきます。

そこに映し出されるのは果たして神か、それともなにか。

最高の読書体験になると思います!

ぜひご一読されることをお勧めします!

終わりに


今回はとても重厚的な作品を取り上げさせていただきました。

これからも様々な作品を紹介していきますのでどうかよろしくお願いします!

それでは今回はここまでです。

バイバイ(^_^)/~

盤上の夜 (創元SF文庫)

盤上の夜 (創元SF文庫)

 

ジャズにかける情熱と狂気!「セッション」はおすすめの洋画です!

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今回は今迄とは少し趣向を変えて洋画を紹介しようかな、と思います。


と云うのも今日今回紹介する作品を見たばっかりなんですよね。

そして見終わった熱に浮かされて今ブログを描いているという経緯でして。

そう云うことで今回は洋画を紹介します!

紹介する作品は「セッション」(原題:Whiplash)と云う作品。

監督・脚本は今年日本でも人気「ラ・ラ・ランド」でも有名なデミアン・チャゼル監督。

アカデミー賞では5部門にノミネートされ、助演男優賞ではJ・K・シモンズが受賞しています。

それでは詳しく紹介していきましょう!

「セッション」における師弟関係

観た感想

 
才能を持った人物がその道を究めていく物語と云うのは得てして最後は成功を収める王道中の王道ストーリーです。

しかしこの作品は違う。

成功を目指す。いや主人公のニーマンが目指すのはただの成功ではありません。

「偉大」なジャズドラマーになることなのです。

生前に認められなくてもいい。どのような形であれ歴史に名前を刻まられなければいけない。

その結果ニーマンはジャズの泥沼に浸かっていきます。

そこにニーマンの「成功」は一切ありません。

もしかしたらところどころにここは成功と云ってもいいかもしれないのでは? と思う個所もあるかもしれません。

しかしあったとしてもそのどこも大きな成功と云う訳ではありません。

ニーマンはただただドラムを叩くだけなのです。

私はそこに感動を覚えました。

おそらくドラムを叩いているときはもう目標とか成功とかそんなことは考えていないのではないか、と私は思うんです。

一周回ったそのドラムへの執着がまさに血の通った音楽のようにも思えましたし、努力は最終的に狂気として真の姿を顕現するのだな、と私は驚き、手汗がにじみました。

従来のスポコンのようにも思えますが、しかし矢張り従来のそれとは決定的に違う。

いうなれば「悪魔に取り憑かれた作品」とでも称しましょうか。

それほど私の心を魅了した作品でした。

ぜひ皆様も観ください! おすすめです!

最後に


あまり洋画は見ないのですが今回の「セッション」で心が打たれました!

ちょっと洋画に興味を抱きつつあります(笑)

そんなこんなで今回はここまで。

最後まで読んでくださった方、有難うございます。

それでは( ´Д`)ノ~バイバイ

埼玉愛にあふれた作品「埼玉県神統系譜」はもう一度読みたくなる作品なんです!

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今回は中村智紀先生「埼玉県神統系譜」について紹介していこうと思います。

この作品は第9回小学館ライトノベル大賞ガガガ賞受賞作品であり、その肩書だけで実力のほどが伺えるんじゃないでしょうか。

ガガガ文庫と云えば「やはり俺の青春ラブコメは間違っている。」や「俺、ツインテールになります。」など中々に個性あふれるレーベルとなっており、今回の作品もそれら作品と遜色ないくらいに、いやそれ以上に個性的な作品となっております。

私がこの作品と出会ったのは何とはなしにガガガ文庫のホームページを見ていて、そこで「ガガガ賞受賞作」なる文句で宣伝されたこの作品を見つけたのが、最初だったでしょうか。

まず目に入ったのが表紙の絵。

あまりイラストレーターさんに関しては詳しくないのですが(有名どころでabecさんやかんざきひろさんぐらいしか知りません)shimanoさんと云うイラストレーターさんがお描きになっているようで、まずそのイラストに興味を持っちゃいましたね。

凡庸な言い方になってしまいますが、とても綺麗なんですよ。

様々なイラストを拝見させていただいた私の観点(素人目)から言いますと味があるというか、共感を持てるというか、何だか寄り添っているようなイラスト(何言っているんだ……)

うーん、言葉にするのは難しいですね。

しかし本当に素晴らしいイラストなんですよ。

派手さはありませんが、地味ともまた違う、と云うか……

まあ、イラストに関しては皆さんの目で確かめてくれればと思います。

そしてイラストの次に私に興味を抱かせたのは……

埼玉県神統系譜

埼玉県神統系譜 (ガガガ文庫)

埼玉県神統系譜 (ガガガ文庫)

 

 
神様が出てくるのです!

私はそこに惹かれました。

何と云うかね、前々回の記事だったかな? そこで「いなり、こんこん、恋いろは。」について紹介したと思いますが、おそらく私はその作品のせいで神様やら、やれ神社やら、やれ日本神話やらと云った話が好みになってしまったようで……

事実、今現在でもその興味は衰えることを知らずに大学でも日本神話についての講義を取ったりと、とある一つの漫画から派生した興味がどんどんマニアックな、専門的な領域に達しそうです(笑)

そしてそんな神様などに興味を持った時期と「埼玉県神統系譜」と出会った時期とが巡り巡って巡り合ってしまったわけです。

「え? 神様? 神社が舞台? それなら買わなくてはいけないな!」と勢いそのままに書店に向かったことを今も鮮明に覚えています。

面白いぞ、この作品は!

あらすじ


高校二年生の夏、主人公である立花 孝介(たちばな こうすけ)は実家の神社を継ぐつもりで一切進路のことなんか考えていなかった。

しかしそんな孝介に父はとんでもない突然のカミングアウトを告白する。

「うちの神社は今、倒産しかけてんぞ?」

 
てっきり実家は中流家庭の上くらいのものだと思っていたのが、なんだかんだで結構貧乏であった事実を告げられる。

神社が倒産すれば孝介の進路は、将来は。

もう終わりだ、この世の終わりだ!

そんな折、現れたのが狐の仮面をかぶる謎の女性。

その人こそが我らが救世主、神様であったのだ!

腐れ高校生


腐れ学生を描く名手と云えば私なんかはパッと森見登美彦さんなどが頭に浮かびます。(もしかしたら近代文学漱石とか、作品によってはそこら辺を連想する方もいるかもしれませんが)

そしてそんな森見登美彦さんの作品にこの「埼玉県神統系譜」はなんだか似ているんです。

と云うのも文体からちょっと似ているというか、どちらも文体が文語調なんですよ。

それでキャラクターも通底するところがあります。

それこそが「腐れ学生」です。

この作品の主人公もまあ、腐れです。もう腐っています。発酵してチーズになるんじゃないかってくらいに腐って……、そこまではいかないか。

ですからもし森見登美彦さんのような作品を読んでみたいな、って方にはお勧めかもしれません。

しかし何だか森見登美彦さんの文体とか物語って独特過ぎてちょっと理解できないって方もいらっしゃると思います。

実際森見登美彦さんの作品は面白い人には面白いけど、本当に理解できない人には理解されないらしいです。

賛否両論の振り幅が大きいというかなんというか。

けれど今回のこの作品はそんな方にこそ読んでもらいたい作品です!

出自がライトノベルレーベルと云うことで物語も構成もしっかりしている上に理解しやすく読みやすい。それでいて文体が苦手と云う方もそれがかえってスパイスになってうまい具合にサクサク読めてしまうかもしれません。

ぜひ読んでみてください。

読んだ感想


この作品、雰囲気がいいんですよ。

舞台は片田舎で、季節は夏。

嗚呼、何だか蝉の鳴き声が聞こえてきませんか?

読んでいて昔日の夏休みを思い出す、そんな感じです。

夏って現実世界じゃあただただ暑いだけなのに何故だか小説で読むと夏が恋しくなるんですよね。

そんな感慨にふけれる作品ですよ。

そして青春物語。

ほんと、くだらないことをやっているなあ、なんて思う描写が多々あるんですがそこがまた読んでいて面白い。

くだらないこと……

余談になってしまうんですが結局なんだかんだそう云うくだらないことをやる時間って現実ではほとんど無いですよね。

そう云う時間ってちょっと考えてみると、大切なんじゃないかしらって私なんかは個人的に思うんです。

「くだらないことなんかやる暇があったら~」なんて云うのは常套句ですがそもそもくだらないことを何でやってはいけないんでしょうか?

誰か偉い人が規律したのでしょうか?

いいえ、違いますよね。

人と人との間に流れる一般常識と云う名の空気がそれはくだらないことなんだ、やっても意味が無いんだから、と無意識に理解させているんです。

どうでしょう? その行為を本当に完全に十割の確率で意味が無いなんて云えますでしょうか?

得てして一般的に言われるくだらないことと云うのは単純に理解できないことをブラックボックスとしてくだらないこととして収束しているだけなんです。

エジソンの研究が最初から認められていたわけではありません。

宮沢賢治に至っては生前での作品評価は皆無です。賞賛されたのは宮沢賢治が亡くなってからのことなんです。


それらは今は認められて高い評価を受けているものばかりですが、評価を受ける前はどうでしょうか?

くだらないことなんじゃないですか(笑)

つまり一概にそれはくだらないことだ、と断定はできないわけです。

なんてもっともそうな事を云っていますが結局これは言葉のレトリックで、言葉の綾なんですけど(笑)

話が大きく脇道に逸れ過ぎました、すみません。

結局一番云いたい事はくだらないことをする時間はないけど、くだらないことを読む時間はあるんじゃない? ってことです。

皆さんもくだらないことを読んでみませんか?(何だか語弊のある云い方ですね。作品の内容は素晴らしいですよ!)

何度も云うようですがこの作品、本当に面白いんです!

最後に


今回は最後の方、大きく脇道に逸れてしまいましたが、そこはどうかご勘弁を!

あまり自分の意見を大々的に表には出したくないのですが、今回はなんだかそんな気分だったようですね

それでは今回はここまで(^.^)/~~~

埼玉県神統系譜 (ガガガ文庫)

埼玉県神統系譜 (ガガガ文庫)

 

西尾維新デビュー作!「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」

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今回紹介するのは今や大人気作家として活躍される西尾維新さんの処女作にしてメフィスト賞受賞作!「クビキリサイクル 青色サヴァン戯言遣い」です。

西尾維新さんと云えばアニメ化や映画化も果たした物語シリーズが有名ですがそのシリーズと同じくらいに、いやそれ以上に面白いシリーズがいわゆる戯言シリーズと云いまして、今回紹介する作品はそのシリーズの第一作と云う位置づけでございます。

この作品、なんといっても西尾維新先生独特の文章が面白いんです。巷で云う西尾節と云うのでしょうか? ラノベ調と云うか、この文章が自分の型にぴったり合えばすらすら読めてしまうページを捲る快感が味わえます。

だからと云ってストーリー自体が疎かになっているかと云うと、そんなことはありません。

しっかりミステリーとして数々のトリックが機能して、最後の解決のシーンはドキドキでした。

なのでこの作品、読みやすさもストーリーの良さも兼ね備えたとてもよくできたミステリー作品となっているのです。

孤島に集まるは天才たち

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

 

 
主人公の「ぼく」は友人の玖渚 友(くなぎさ とも)の付き添いとして孤島、「鴉の濡れ羽島」に訪れた。

孤島に訪れて三日目の朝、「ぼく」が寝床で目を覚ますところから物語は始まる。

そこでは今までに孤島で面識を持ったのであろう登場人物が続々と登場してくる。

孤島に立つ屋敷の住人のメイドさんたち、お嬢様、そして主人公と同じく屋敷に招待を受けた「天才」たち。

この天才がどいつも曲者揃いで、一人一人しっかりキャラが立っていて会話のシーンなど読んでいて飽きませんね。

海外の天才研究者に、天才画家、天才料理人に天才占術師(詳細は本編を読んでください)。

そんな天才たちの会合なのかで事件は起きます。殺人事件です。

殺害された被害者の姿は……

首なし死体。もう一つ首なし死体


大きな揺れ、地震が起きた後のことでした。

部屋の奥に首なしの死体が発見されたのです。

それも部屋のかしこにはおそらく地震で倒れたであろうペンキたちがそこかしこに倒れていました。

そしてふと不思議なことに気付きました。

死体は部屋の奥にあるのです。

しかしその死体に行き着くまでには倒れたペンキたちが行く手を阻んでいる。

ペンキはまだ乾いていない。

なのにペンキの上には足跡が一つもついていなかったのです。

これはどういうことでしょうか?

足跡をつけずに死体がいるところまで行き来するのは不可能です。

つまりこれは密室状態での殺人なのです。

不思議ですねぇ。地震は予期せぬ事態だったはずなので犯人は何か工作しようにもそうはいかなかったはず。

だったらどうやって足跡をつけずに殺害したのか。

一見不可能犯罪に見えるこちらの事件。

しかしこれが案外簡単なトリックでできていまして、これには私も「ああ、そうか!そうだよな」と本を手にしながら口に出していました。

みなさんこの事件の真相は知りたくありませんか?

知りたいなら、はい、すぐに読んでみましょう!

本当におススメの一冊ですよ。

と、なんだか締めに入りそうな勢いですが、みなさん、待ってください!

事件はまだ終わっていないのです。

そうです。また事件が起きてしまうのです。

それも今度は先の事件で一番怪しいとされた容疑者が首なし死体として発見されます。

そしてこれまた密室状態の部屋から。

立て続けに首なし死体に密室殺人、もうワックワクのドッキドキです。

そして今度は厄介なことにアリバイが複雑に絡まっていきます。

今回の事件を地震前の前回の事件と同一犯と考えるとアリバイが完全に無い人物が一人もいなくなってしまうのです。

これは困りましたね。

さて、「ぼく」はどうするのでしょうか。

その結末は皆さんの目で確かめてください!

そしてもう一つ最後の最後でまたもやどんでん返しが待っています。

それを告げるのは《人類最強》哀川 潤(あいかわ じゅん)。

最後の最後まで目が離せません!

読んだ感想


キャラクター小説とミステリー小説の綺麗な融合。どちらの要素もいい塩梅で両方一気に楽しめるのは読者冥利に尽きます。

有難うございます西尾維新先生!

そんなクローズドサークルで揺れ動いていく天才たちのぶっ飛んでいるけれども何だか理解できてしまう一面もあったりして、それらキャラクターたちにも必見ですが、なんといってもこの作品はミステリー小説としても高い水準を超えていると思います。

興味を持たれた方は是非ご一読を。

最後に


もう寝ます。明日は早いのです。

それではまた。( ´Д`)ノ~バイバイ

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い (講談社文庫)

 

京都が舞台の恋物語!「いなり、こんこん、恋いろは。」で心がキュンキュン

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今回は私がアニメを
見始めた契機となった作品でもあり、とても大好きな作品、よしだもろへ先生「いなり、こんこん、恋いろは。」について紹介したいと思います。

私はアニメからこの作品を知りました。その後原作が漫画だと知って即、書店におもむき既刊全巻を購入したことを覚えています。

アニメではオリジナルの終わり方を。

私個人としては綺麗にまとまっていて良かったな、と当時思いましたね。(上からの物言い)

漫画では時系列的にアニメのその先を描いたこれまたとても感動するラストとなっているので必見です。

詳しくはこれから語っていきましょう。

神様との出会い。変身能力! 

京都の伊奈里神社(モデルは稲荷神社)の近くに住む主人公の伏見いなりが川で落ちそうになっていた子ぎつねを助けるところから物語は始まります。

そのお礼として子ぎつねの主人でもあり、神社の神様であるうか様(宇迦之御霊神)から神通力の一つ、他人の姿に変身できる能力を授かりました。

そんないなりとうか様の出会いをきっかけに二人は心を許せるような親しい関係となっていきますが……

京都恋物語

この作品の魅力と云えばなんといっても京都が舞台と云うことです。

京都を舞台に織りなすラブコメディ!

この文句だけを聞いても私なんかは興味を持ってしまいますね。

そんな今作、京都と云う歴史ある風流豊かな地で繰り広げられるのは何とも素晴らしい青春ラブストーリーなわけです。

この恋愛要素と青春要素との関係性などの表現に心が打たれます。

ある時は爽やかにページを繰り、ある時は重いギスギスした空気なんだけれども先が気になってページを捲る手が止まらなかったり・・・・・・

この物語、既存の王道ストーリーを丁寧に描いているようなんだけれども、しかし今迄の恋愛作品とはどこか違う、独特の空気。

その独特の空気の正体と云うのが、これまた京都の世界観を包む新たな世界観!

それが神様の世界!

神様だって恋をする!

そう、この作品には先にも述べましたが普通の人間のみならず人ならざる存在、いわゆる神様も登場するのです!

そしてその一人、うか様と云う神様が今作のもう一人の主人公であり、ヒロインと云っても過言ではない存在なのです。

うか様はいなりと仲良くなるとそのいなりのお兄ちゃんの伏見燈日とも交友関係を結んでいきます。

当初燈日はある理由からうか様のことを目の敵にしていましたが、次第に打ち解け合い燈日とうか様は親交を深めていきます。

そして二人の想いはいつしか恋心へと変わっていくのです。

しかしこれが中々うまくいきません!

まあ、当たり前ですね。

一方は人間で、一方は神様、種族などの違いからお互いの想いは通じているのに二人を取り巻く環境がそれを許さない。

定番中の定番すね! しかしそれが面白いんだからしょうがない。

こういった種族などの違ったもの同士が恋愛をする物語のことを「異類婚姻譚」なんて呼んだりもします。

有名な作品で云えば実写映画化が決まった「美女と野獣」など作品は多岐にわたります。

まあ、余談です。

それにしてもこういう、相手のことは愛しているのにどうしてうまく結びつかないんだ! と云ったもどかしさなどの描写を見ているとこちらも何だかモヤモヤしてしまうんですが、そう云ったモヤモヤが最後の最後で晴れる時はより一層の爽快感を味わえるんですよね!

ほんと、だからラブコメは読んでて面白いんですよ。

読んだ感想 

この作品のストーリの良さは前にダラダラと述べてしまったので割愛させていただきますが、それにしたってこの作品はそのストーリーを抜きにしても本当に素晴らしいんです!

そう、よしだもろへ先生の画力がもう半端ない!

京都が舞台なので緻密な建物がいくつも出てくるんですがそのどの建物の絵も無意識にため息が漏れるぐらいにとってもきれい。

建物の趣やら風情やらうまく表現できているわけです。

そんな舞台の中でキャラクターたちが生き生きと動いていたら、こりゃあ、もう完璧です。(あくまで私個人の感想(笑))

原作は区切りの良い数字、十巻で完結しているので一気に読みたい方にはお勧めです。

その他にもアニメではBlu-rayboxも好評発売中と云うことなのでこちらもぜひ興味があれば見てみるといいかもしれません。

最後に

夜中に描いたので何だか文章として稚拙な部分が多くみられるかもしれません。

私も随時加筆修正を行っていきたいと思いますが、それでもまだおかしな点などございましたらコメントをお願いします。

もしかしたらそのコメントを参考にして反映するかもしれません(笑)

それでは今回はここまで!(@^^)/~~~