本格ミステリーの復活「占星術殺人事件」を読まずしてミステリーは語れない
今や推理小説として圧倒的な市民権を得た新本格もちょっと昔まではこういった推理小説は認められていなかったんですね。
新本格の推理作家さんで有名なのは綾辻行人さん、有栖川有栖さん、法月倫太郎さん、歌野晶午さん、京極夏彦さん、我孫子武丸さん、森博嗣、et cetera…
Wikipediaを参考にすれば「新本格」と云う言葉が使われたのが綾辻行人さんの二作目「水車館の殺人」の帯から使われ始めたらしいです。その後次第に東京創元社などの他社からデビューした作家さんにも使用されるようになって、ジャンルとして定着したようです。
しかし私はおそらくこの人がいなかったら「新本格」と云うジャンルは誕生しなかったのだと思います。
その方が島田壮司さん。
松本清張の影響もあって推理小説は社会派が中心と云ったミステリー界で突如として現れたのが島田壮司さんの「占星術殺人事件」
けれど当時この作品が上梓してもあまり話題にはならなかったそうです。
矢張り社会派推理小説の影響力が強く受け入れられなかったのでしょうか。
しかしその後も別作品として社会派推理小説の吉敷竹史シリーズを書きながら本格推理の御手洗潔シリーズも書き続け現在ではミステリー界の重鎮です。
今回紹介する「占星術殺人事件」は江戸川乱歩賞の最終選考まで残った作品だそうです。
内容に関しては受賞してもおかしくないのですが。
何と云ってもこのトリックがすごい。
単純なようでわからない。
詳しく紹介していきます。
「占星術殺人事件」
密室で殺された画家が遺した手記には、六人の処女の肉体から完璧な女=アゾートを創る計画が書かれていた。その後、彼の六人の娘たちが行方不明となり、一部を切り取られた惨殺遺体となって発見された。事件から四十数年、迷宮入りした猟奇殺人のトリックとは!?名探偵御手洗潔を生んだ衝撃作の完全版登場!
この推理小説では現在進行形で登場人物が事件に巻き込まれて事件を解決していく、と云うものではなく約四十年前の未解決事件に名探偵の御手洗潔が立ち向かう、と云った感じ。
最初は「AZOTH」と云う私自身のために描かれた小説と云う文句で進んでいく謎の文章が羅列していく。
梅沢平吉なる画家の遺書と云うこと。
内容は「占星術」に関してのことが滔々と語られておりここで辟易としてしまう読者の方は多いかもしれません。
しかしこの約四、五十ページを読めばその先にはやっと主要メンバーの御手洗潔と石岡和己の登場です。
ここからは最後まですぐに読めてしまうのではないでしょうか。
信じられないほどに読み易く感じます。
舞台は東京から京都に行ったりといい塩梅で環境変化もあって飽きる事をさせません。
そしてなんといっても最後の最後で明かされる事件の真相はミステリーの読書体験で一生忘れる事が出来ない痺れるものとなっております。
読んだ感想
画家の梅沢平吉が自宅のアトリエで密室状態で殺害されていた。
事件のあった日は雪が降っていた。
この密室殺人では雪の上の足跡がポイントになります。
まず初めにこの事件のトリックが明かされ物語が始まって早々に一つの解決で勢いがつきました。
しかしその次が難題です。
その密室殺人が起きたその後6人の姉妹が頭、肩、胸、腰、大腿部、下足部が切り取られた状態の死体が発見された。
この奇怪な事件が今回の「占星術殺人事件」の大きな謎の一つ。
この事件のトリックが最後のカタストロフィを素晴らしいものに仕上げています。
詳しくは語れませんがこれを読まずしてミステリーは語れないと云っても過言ではないので是非ご一読をお勧めします。
最後に
今回は本格ミステリー作品を紹介させていただきました。
今や重鎮となられた島田壮司さんの作品はその他も面白いので是非是非調べてみてください。
それでは今回はここらへんで。
( ´Д`)ノ~バイバイ
村上龍、衝撃のデビュー作「限りなく透明に近いブルー」は淡く、冷徹
村上春樹と村上龍でダブル村上なんて呼ばれている二人。
しかし作風は決して似ていると云う訳ではありません。
全く別の切り口から純文学を描く。
殊に村上龍処女作の「限りなく透明に近いブルー」はそれが顕著です。
そしてこの作品の読書体験は同時に衝撃です。
今でも読んで衝撃ですが、当時の文壇、なんて想像すると色々な意味で荒れていたのではないでしょうか。
群像新人文学賞、芥川賞受賞のこの作品。
処女作で芥川賞を受賞してしまうんですね。
最近では又吉直樹さん「火花」が小説としては処女作で芥川賞を受賞で大きな話題を呼びましたが、普通に考えるととんでもないことですよね。
そんな又吉さんは二作目に「劇場」が単行本で発売予定で私は今からワクワクしています。(新潮には掲載されています)
単行本・文庫本の発行部数は芥川賞受賞作ではトップ。
表現などがとてもユニークと云うか前衛的なんですね。
良く比べられるのが石原慎太郎の「太陽の季節」
荒廃的な男女の物語と云う点で類似点が多いのでしょうか。
詳しく紹介していきます。
「限りなく透明に近いブルー」
福生の米軍基地に近い原色の街。いわゆるハウスを舞台に、日常的にくり返される麻薬とセックスの宴。陶酔を求めてうごめく若者、黒人、女たちの、もろくて哀しいきずな。スキャンダラスにみえる青春の、奥にひそむ深い亀裂を醒めた感性と詩的イメージとでみごとに描く鮮烈な文学。群像新人賞、芥川賞受賞。
麻薬とセックスに明け暮れる毎日を主人公の客観的で冷徹、一見して淡白な文体だがそれを自然に受け入れさせるのだからこの作品の評価されるのが分かる。
この作品には多くのセックスシーンが描写される。
直接的な描写なんて数えたらきりがない。
なのにどうしてここまで「清潔感」がある。
やはりこの平易な文体で暴力的な内容が読んでいて素晴らしい。
読んだ感想
読めば分かる、としか云えないのがこの作品の紹介しづらい点。
必要な文章しかなく、逆説的にそれをコンパクトに要約しようものならこの作品の良さは一掃されてしまう。
そう云った作品だ。
それでもどうにかこの作品の良さを伝えるのであればやはり何度も云うようだが、この作品の文体に高い評価がある。
平易な文章にここまで書いていいのか? と云うほどに暴力的で問題のある内容。それを赤裸々に告白している。
一見アンバランスの様に見えるそれをこれしかない! と云う最高のバランス感覚で描き切った。
今思い起こしてみるとこの作品はどことなくカフカの「変身」を彷彿とさせます。
ただ事実しか語らない。そこから見える自分だけの真実。
どんな観点から見ても不思議で、そしてどうしようもなく惹かれる。
「限りなく透明に近いブルー」是非読んでみてください。
最後に
更新頻度が低くなっていく一方ですね。
頑張って書いていきたいと思います。
今回はここまで。
( ´Д`)ノ~バイバイ
「葉桜の季節に君を想うということ」には賛否両論が多いようだ
今回紹介するのはミステリー好事家界隈では有名な歌野晶午さんの有名作「葉桜の季節に君を想うということ」です。
所謂どんでん返し系統に属するであろうこの作品、私も見事に騙されましたが、この騙されたトリックに対してミステリーファンには賛否両論あるようですね。
私のスタンスは小説(特に大衆文学)は娯楽であり自分が楽しめていれば良いのである、なんて思っているので私自身は受け入れているのですが、その逆も然りなのでどうとも云えないですねぇ。
唯一云えることはそれ程この作品に対しての意見が多く述べられている。と云うことは多くの方に読まれていると云うこと。
つまり有名作と云うことです。
そんな有名作を詳しく紹介していきましょう!
「葉桜の季節に君を想うということ」
「何でもやってやろう屋」を自称する元私立探偵・成瀬将虎は、同じフィットネスクラブに通う愛子から悪質な霊感商法の調査を依頼された。そんな折、自殺を図ろうとしているところを救った麻宮さくらと運命の出会いを果たして―。あらゆるミステリーの賞を総なめにした本作は、必ず二度、三度と読みたくなる究極の徹夜本です。
先程この作品にはどんでん返しがあると云いましたが、そのどんでん返し一つだけではないんですね。
大きなどんでん返しは最後の最後に「それアリ?」ってぐらいのがあるんですが、その前にも幾つものどんでん返しと云うか「そうだったのか」という所謂事件の解決が有るわけです。
つまりこの作品内には様々な事件が色々な時系列で同時進行していくんですね。
その事件一つ一つがとても重厚的なものとなっております。
探偵が解決する推理ものというよりかはサスペンスに近いかな? ハラハラドキドキと云う場面がいくつもあって本格推理ではないですがそう云った冒険小説的な部分は好きでしたね。
それに結構読み易いんです。
読んだ感想
悪徳商法を調査する主人公。
何と云ってもその過程が面白かったです。
最後のカタストロフィに関しては賛否両論ありますが、そこに行き着くまでの過程、道程はとても面白いものだと思います。
先述したようにハラハラドキドキするんですね。
この筆致は流石だな、と思ってしまう。
主人公のやくざ時代のお話も同時進行で進んでいき、交差していくんでこれまた面白い構成になっています。
と云っても私、この作品を随分と前に読んだのでちょっと忘れている部分もちらほらなんで、正直あの時の躍動感を思い出せなかったりするんですよねぇ。
私も読み返そうかな。
と云うことで「葉桜の季節に君を想うということ」でした。
是非読んでみてください!
最後に
ここまで読んでくださった方有難うございます。
それでは今回はここまで!
( ´Д`)ノ~バイバイ
「忌館 ホラー作家の棲む家」の世界はリアルかフィクションか
三津田信三さんの作品は面白いですよね。
ホラー作品は勿論、ミステリーもお手の物。
最終的にその二つを融合したホラーミステリーなんて代物を世に送り出し今でもその融合性を高めんと小説を出し続けています。
有名なのは刀城言耶シリーズ「厭魅の如き憑くもの」などの土着性の高いホラーミステリー。
横溝正史(「八つ墓村」など)に繋がる雰囲気を醸し出しながら、最近の作家で云えば京極夏彦の緻密性、同時に奇妙な物語。
民俗学やら日本神話についての蘊蓄をひけらかしながら構築していく世界観。
今回紹介する三津田信三さん処女作「忌館 ホラー作家の棲む家」に関しても似たような事を云えるかもしれません。
ミステリーやら建築学やら様々な蘊蓄をもってこの摩訶不思議な世界観をゆっくりと確実に構築していく。
最終的にその世界観は現実に実際起こりえた出来事なのか、それとも完全なフィクションなのか、どっちともつかない気味の悪い、そして最高の感覚を体験することになります。
詳しく紹介していきたいと思います。
「忌館 ホラー作家の棲む家」
奇妙な原稿が、ある新人賞に投稿された。“私”は友人から応募者の名が「三津田信三」だと知らされるが、身に覚えがない。そのころ偶然に探しあてた洋館を舞台に、“私”は怪奇小説を書きはじめるのだが…。本格ミステリーとホラーが見事に融合する三津田信三ワールドの記念すべき最初の作品が遂に登場。
散歩をしていた途中、竹藪の中に見つけた不思議な空気を纏う寂れた洋館。
主人公の「私」、三津田信三はその洋館の雰囲気を気に入り、様々な過程を経て洋館に住むことになった。
その洋館には様々な謂れがあった。
海外から運び出したというこの洋館。
そこに住んだ者たちは次々に怪死するという過去があった。
洋館に住み始めた「私」に徐々におかしな出来事が起こり始めた……
この作品の構成はフィクション内の現実世界とフィクション内の小説世界が交互に織りなされており、どちらがどっちの世界なのか分からなくなっていく。
徐々にその世界は混濁としていき、そしてついに事件は起きる。
読んだ感想
まず初めに語り口調、文体が私の性に合っていたんですね。
それだけで読書っていうものは楽しくなってしまう。物語以前に読むこと自体が楽しくなってしまうんですよ。
舞台は刀城言耶シリーズのような寒村ではなく浅草やら武蔵野やらと決して都会ではないがかなりの田舎と云う訳でも無い良い塩梅の雰囲気漂う土地なので、読んでいて変な疲れもなく心地良いです。
なのに内容は気味の悪いホラーミステリー。
このアンバランスがとてもいい。
最後の方は頭が混乱して訳が分からなくなっていきます。
その体感が快感だから私はおかしい。
こんな体験をしてみたい方は是非読んでみてください。
そして一番私が前のめりで読んだ箇所が、小説内で語られる江戸川乱歩論。
特に江戸川乱歩の「陰獣」について。
これがとても興味深いのでそこにも注目してほしいですね。
だから浅草なのですよ。ふふふ(笑)
是非読んでみてください!
最後に
ここまで読んでくださった方有難うございます。
今回は三津田信三さんの作品を紹介させていただきました。
この系統の作品は面白いですね。
京極夏彦、横溝正史、江戸川乱歩、北森鴻。
そこから鳥山石燕の画集を買ったり柳田国男の「遠野物語」を読んだりと……
皆さんも興味を持ったらすぐに関連書籍を読んでみましょう(笑)
それでは今回ここまで。
バイバイ(^.^)/~~~
不思議な青春ファンタジー「僕が七不思議になったわけ」をおすすめなのです!
メディアワークス文庫より上梓されている小川晴央先生「僕が七不思議になったわけ」について今回は紹介します。
この作品は第二十回電撃小説大賞<金賞>を受賞しています。
毎回数多くの応募者がいる電撃大賞から選ばれた作品ですからね、作品の完成度は客観的に見ても素晴らしいものとなっているのではないでしょうか。
この作品を読んだのは随分と前のことなんですが、しかし今でもあの時の驚きや感動は鮮明に残っています。
あっと云わせる仕掛けが最後にあります。
一見気づきそうな仕掛けとも思うんですが、それはその仕掛けを知っている今だからこそ云えることで、知らずに読んでいた時は何の疑いもなく普通の青春小説だと思って読み進めていました。
潔くも、きれいに騙されました!
ミステリーなのか、はたや青春小説なのかファンタジーなのか。
詳しく紹介していきましょう!
「僕が七不思議になったわけ」
石橋を叩いても渡らない心配性の高校生・中崎夕也はある夜、七不思議を司る精霊・テンコと出会う。深夜の校庭に桜が舞い散る中、宙に浮かぶ袴姿の彼女は、高らかに不吉な言葉を彼に投げかけるのだった。「おめでとう、お主はこの学校の新しい七不思議に選ばれた」なんと彼は七不思議の引き継ぎに、仮登録されてしまったのだ!生きながらも七不思議の一つとなった少年の日々を綴った、思わずもう一度読み返したくなるミステリアス・ファンタジー。第20回電撃小説大賞金賞受賞作。
と云うのがあらすじ。
詳しい話をここで話してしまうとこの作品の面白さが半減してしまうのでストーリーに関しては割愛。
ネタバレにならない程度で簡単に説明してしまうと主人公の中崎夕也が七不思議の力を借りて事件の数々を解決していくお話。
と、当初私も思っていたのですが……
そんな感じです。
最後の最後でどんでん返し。
今迄思っていたことが次々に反転していきます。
伏線の張り方、伏線の回収の仕方はお見事の一言に尽きます。
ミステリアス・ファンタジー、まさにこの作品の相応しい総称ですね。
読んだ感想
先述しましたが私は当初この作品は主人公が七不思議の力を借りて事件を解決していく、そんな物語だと思っていました。
ですので、正直云ってしまうとなんというか「平凡だな」と云う感想を抱きました。
こういった何か特別な力やらユニークスキルやらで事件を解決する。
その事件にはいろんな人の様々な思いが交差していて……
こういう物語って多いじゃないですか。
否定しているわけじゃありません。
多くの人から支持されているからこういった物語が多く存在していることは自明ですから。
それにこういった作品が私自身嫌いなわけではなく、そしてこの作品の最初のほうのストーリーだって決して面白くなかったわけではありません。
むしろこういう親和性の高い小説は手元に置きたくなる作品です。
だけどやはり新鮮味には欠けてしまうんですよね。
だから率直にあんな感想が漏れてしまったのだと思います。
しかしそんな私の当初思っていたこの作品への評価は最後の最後でひっくり返りました。
前提がひっくり返ったというか、そのページ、文章を読んだ時はただただ呆気にとられてしまいました。
そして本当にそうなのか? とずっと前のページをさかのぼったりして……
最後に驚かされます。
そして同時に切なく、悲しいストーリーが待っているのです。
この作品の素晴らしいところは最後のどんでん返しと同時に切なすぎる青春物語を連続パンチでかましてくるところです。
驚けばいいのか、それとも泣けばいいのか。
しかし絶対に云えることはこの作品が自分の読書体験で忘れられない一冊になると云うこと。
是非読んでみてください。
最後に
ここまで読んでくれた方有難うございます。
日に日に更新頻度が低くなってきました。
まあ、気分で書いているので仕方ないのですが(笑)
それではここまで。
( ´Д`)ノ~バイバイ
アニメ絶賛放送中!最高のラノベ「エロマンガ先生」に対しての私の熱い思い
「エロマンガ先生について今回は紹介していこうと思いま……」
「そんな恥ずかしい名前の人、しらない!」
あぁ~、もうかわいいですよねぇ~、紗霧ちゃん!
私事ですが一時期、本当にもう一時期、妹キャラが出てくるラノベやらなんやらを片っ端から読んだり見たりしていましたねぇ~。
私には現実に妹がいるんですが、その妹がまあ本当に生意気な奴で(これ妹に万が一にも見つかったら殺されるな)その反動でフィクションの世界では理想を見たいと、そんな感じです。
まあ、それだけではないですが。
と云うかそんなのは微々たる理由で……
私はこの作品で救われたんですよ!
余談になりますがお付き合いを。
あれは高校一年生の頃でした(あっ、回想だ)
確固たる将来の夢のために高校に入学した私でしたが、早速そう云った専門的な授業を受けてみたら全然ついていけなくて……
憧れだけじゃ何もできないんだなあ~、と実感した時でしたな。
それで将来の夢も何もかもどうでもよくなっていました。
そんなとき何とはなしに本屋に赴いて本でも読んで気を紛らそうとしていた時に出会ったのが「エロマンガ先生」
それまであまりアニメやらライトノベルはあまり見なかったり、読まなかったり。
気にはなっていたのですが……
それでタイトルの衝撃に興味もわいてきてそして購入!
家に帰ってさっそく読んでみたら「あぁ~、なんだよ、面白いじゃないか……。これがラブコメなのか! 感動しちゃった」
とか思ったり、思ったり、思っちゃったり思っていなかったり。
いや、思ったんですが。
それまでは読書って好きではなかったんですよね。
小学校・中学校の国語の授業がこれがどうにも面白いと思えなかった。
何でこんな面白くもない文章を読まなきゃいけないんだろうか。
とか、まあ、いろいろ。
だけど「エロマンガ先生」を読んで初めて気づかせていただきましたよ!
読書の面白さ! 読書ってこんなに楽しいものなんだ!
文体は国語の授業で読んでいた文学作品よりも全然読みやすいし、内容だってわかりやすくかつ共感もできる!
こんな感覚初めてでした!
あぁ~、今でのあの感動は昨日のように……
書店で「エロマンガ先生」を買うのはちょっと……
そんな方々がいるようですが私クラスになると「エロマンガ先生」への熱い思いが強すぎて、そんな含羞は屁のカッパ!
そこは堂々と「お願いします!」でキメ顔ですよ!
さあ、前口上が長くなってしまいましたが「エロマンガ先生」紹介していきましょう!
「エロマンガ先生」
高校生兼ラノベ作家の俺・和泉マサムネには、引きこもりの妹がいる。和泉紗霧。一年前に妹になったあいつは、まったく部屋から出てこない。今日も床をドンドンして、俺に食事を用意させやがる。こんな関係『兄妹』じゃないぜ。なんとか自発的に部屋から出てきてもらいたい。俺たちは二人きりの『家族』なんだから―。俺の相棒・担当イラストレーターの『エロマンガ先生』は、すっげーえろい絵を描く頼りになるヤツだ。会ったことないし、たぶんキモオタだろうけど、いつも感謝してる!…のだが、衝撃の事実が俺を襲う。『エロマンガ先生』は、俺の妹だった!?『俺の妹』コンビで贈る、新シリーズ!
とある出来事をきっかけに主人公の和泉 正宗(いずみ まさむな)は妹がちょーエロい絵を描く人気イラストレーター「エロマンガ先生」だと云うことに気付く!
久しぶりの妹との再会から様々な珍騒動が二人の前に巻き起こる!
兄としての想い。
妹としての想い。
そしてそれ以外の想い。
最高のラブコメディにして最高のライトノベル!
「エロマンガ先生」!
あぁ~、また読みたくなってきたあ~!
てか、もう少しで新刊も出るそうなので待ち遠しいですなぁ~。
はい、みなさん、読みましょう! 読みましょう!
読んだ感想
この作品ラブコメとして最高なのは当然ですが、私はその他にもお仕事小説と云うか、ラノベに対しての熱い情熱やら、そう云った部分に感動しました。
主人公の和泉 正宗、ペンネームは和泉マサムネなんですが、このマサムネのラノベにかける情熱が読んでいてとても輝いて見えました。
高校生でラノベ作家なんてそれでだけで天才のように映りますが、実際は「代わりなんかいっぱいいる、仕事を断るのは怖い」なんて思っていたり。
そんな性格からマサムネの執筆速度はすごく速く、それで企画書なんていっぱい出すんですが、結果はどれもこれもボツ。
理由は何なのか、それが一巻の一つポイントですね!
マサムネのラノベにかける熱い思いは伝わってくる。
けれどマサムネはそれだけじゃなくて年甲斐もなく大人っぽい性格なんですよね。
それは良い意味でも、悪い意味でも。
そんな性格は何が災いしているのか?
マサムネと妹の紗霧の両親は二人を残して亡くなってしまったんですね。
そして紗霧は引きこもっちゃうし、それでマサムネはそれまで以上にしっかりせねば、なんて思ってしまって……
読んでいてこの二人は私とあんま歳変わらないくせに色々考えていて本当にすごいなあ、と思いました。
妹の想いも読んでいて微笑ましいですね。
紗霧ちゃんマジ可愛い。
だからって紗霧ちゃんをどうにかなんて思いませんよ(いやフィクションだから!)
やっぱり紗霧ちゃんにはお兄ちゃんと結ばれてほしいですね。
と云うか、まさに今そこどうなるのっていう展開でして(8巻のお話)。
新刊が楽しみだなあ。
と云うことで「エロマンガ先生」でした!
最後に
今回の語り口調はすごくめちゃくちゃになっていると思います。
承知の上です。
申し訳ございません。
しかしそれほどこの作品に関しては熱い思いがあると云うことなので、ご理解をお願いします!
アニメも絶賛放送中ですので是非アニメもラノベもよろしくお願いします。
ここまで読んでくださった方有難うございました!
それではバイバイ(^_^)/~
村上春樹が講演会をしたと云うことなので「風の歌を聴け」を紹介してみる
今回は村上春樹の処女作「風の歌を聴け」について紹介していこうかと思います。
と云ってもこの村上春樹の作品、どうにも内容が分からない。理解できない。
高校時代の国語の先生も「何を云っているのかちんぷんかんぷん」と云っていました。
しかし読んでしまう。
何か魅惑的な魔力かなんかが作用しているのでしょうか?
国語の先生も「結局好んで読んでしまう」と先程の発言の後に云っていましたし。
何だかよくわからない、しかし多くの人々から絶賛されている、そんな不思議な作家村上春樹の処女作「風の歌を聴け」、紹介していきましょう!
「風の歌を聴け」
村上春樹のデビュー作
1970年夏、あの日の風は、ものうく、ほろ苦く通りすぎていった。僕たちの夢は、もう戻りはしない――。群像新人賞を受賞したデビュー作
1970年の夏、海辺の街に帰省した<僕>は、友人の<鼠>とビールを飲み、介抱した女の子と親しくなって、退屈な時を送る。2人それぞれの愛の屈託をさりげなく受けとめてやるうちに、<僕>の夏はものうく、ほろ苦く過ぎさっていく。青春の一片を乾いた軽快なタッチで捉えた出色のデビュー作。群像新人賞受賞。
あらすじは私も何かよくわからないので上記を参考にしてください。
けれど私も最後まで読んだんですよ!
夏休みの頃です。熱中してすぐに読み終わったこの作品。
しかし不思議かな。この物語を語ろうとすると言葉に詰まっちゃうんですよね。
色々考えた結論、この作品は物語の面白さを伝えよう、と云う訳ではなくおそらくもっと身近な何かで、泥くさくてけれどかっこよくて……まあそんな感じです。
早い話、読んでください!
読んだ感想
親密性の高いどこか親しみを覚える、しかしやっぱりどこか浮世離れした登場人物たち。
主人公の「僕」の友人「鼠」、こいつは金持ちで一番浮世離れしている感じを抱きながらも、反して一番親しみを覚える人物でもあるんですよね。
何故だろう?
そこが村上春樹のすごさなのだろうか?
あんまり認めたくないけど(だってすごい売れっ子作家さんじゃないですか! ただの嫉妬ですよ!)
そして主人公の恋の相手、小指の無い女性。
この女性も不思議だなあ。
こんな女性絶対いないだろうけど、でもいたらいいなあ、なんて思っていたり思っていなかったり。
村上春樹作品の登場人物って正直云うとこんな人物いねぇーだろ! って思うことが多々ありますがしかしそれを何でか受け入れてそのまま最後まで読ませてしまうから、村上春樹はなんだかなあ~って思います。
どこか憧れのような感じなんですかねぇ。
だけどもう少しまともに生きたいと思うしなあ~。
うん、よくわからない。
そんなこんなで村上春樹「風の歌を聴け」でした。
恐らくこの紹介で作品の内容が分かった人はほとんどいないと思いますので、そこはご自身の手で読んで感じてください!
最後に
ここまで読んでくださった方有難うございました!
それでは今回はここまで!
バイバイ(^_^)/~