現代作家、鬼才・天才のデビュー作「くっすん大黒」が面白すぎる!
まさにパンク文学なんて呼ばれている町田康作品の数々。
そんな中から今回は町田康さんの処女作「くっすん大黒」について紹介します!
現代小説でありながら文章からにじみ出るのは近代で活躍した文豪のような空気なんです。
でありながら近代小説では表せられない現代ならではの下らなさが面白い!
詳しく紹介していきましょう!
「くっすん大黒」
三年前に、ふと働くのが嫌になって仕事を辞めた。
それ以降妻のすねをかじって毎日酒を飲むのに明け暮れ、ぶらぶらしていた。
いわゆるヒモ状態。
そんな状態がずっと続いていたら、ある日妻が家を出て行ってしまった。
酒を買う金もない。なにもない。
誰もいない部屋でぶつぶつ一人愚痴を呟く日々が続いた。
そんな誰もいない部屋で不愉快極まりない「大黒」が転がっている。
今日こそはこれを捨ててきてやる!
そうして彼は外に出て「大黒」を捨てるべく奮闘するのだが、何故だか彼はおかしな珍事件に巻き込まれていく。
内容自体はとても下らないことばかりなのだけれどそこが逆に人間ぽいと云うかとても親近感をわくと云うか。
そんな物語をパンクな文章で飾り付けられていて読んでいて気持ちいいんですよ!
読んでいて単純に楽しいのです!
読んだ感想
現代でこんな小説を読めるなんてのは本当に素晴らしい読書体験ですね。
純粋な純文学と云うよりもただただ面白いから笑って可笑しいから笑ってと云う感じの娯楽小説として楽しめるこの作品。
読書が億劫、文章を読んでいることそのものが辟易としてしまう方とかでも、この作品なら読んでこの小説の世界に引き込まれていくのではないでしょうか?
私は終始この作品を読んでいて笑いながらページを繰っていました。
何だかだんだん文章自体に惚れていくんですよね。
文章が本当に面白い!
近代文学的でありながら現代小説の良さを存分に生かしているんです。
だからこそたくさんの読者から熱狂的な支持をもらって、「町田康は文学の新世紀を切り拓いた」なんて云われていたりと、最高の支持を受けています。
そして表題作の「くっすん大黒」以外にも、もう一つの中編作品、「河原のアパラ」こちらも「くっすん大黒」と同じくらい下らなく、なのに面白い作品となっておりますので是非ご一読をお勧めします。
最後に
今回は初めての純文学を紹介しました。
純文学と云っても皆様が思っているような純文学作品とはちょっと違っているかもしれませんが。
しかしだからこそ面白い!
こういう作品は滅多にお目にかかれませんからね!
と云う訳で今回はここまで!
最後まで読んでくださった方有難うございました。
ではでは!( ´Д`)ノ~バイバイ