かぴばら先生は語る

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毎日を本とのおしゃべりで費やしておりますわたくしが今迄の読書体験で「これはイイ!」と感じた作品を紹介していきます。

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ジョブナイル時代の傑作、ライトノベルの原点「妖精作戦」は時代を進めた

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ずっと気になっていてつい最近ようやく読みました。

読んでみてまず文章に圧倒されました。

押し寄せる荒波のような勢いのある文章は初見の私には正直体力がなかったようで最初の方は読むのに手間取ったり、たじろいだこともしばしば。

加えて内容も異常なほどの展開の早さ、風呂敷をこれでもか、と云うぐらいに広げた物語の広大さがこの作品の形成する重要な要素でありこの作品の特徴でもあります。

この作品に影響を受けた作家として有川浩谷川流小川一水などの今となっては有名な作家さんがいます。

この作品をうまく紹介できる矜持はありませんが、しかしそれでもやはりこの作品を少しでも後世の記憶に残し受け継いでいかないといけないと思うのです。

それ程にこの作品が小説の、その中でもエンターテイメント性に富んだ、且つ中高生、若年層に向けた単純なドキドキを伝え得るジョブナイルの、そして昨今でいうライトノベル界の礎的存在と云うか、そう云ったジャンルに大きな影響を与えたのです。

今を知るには昔を知らねば今は知れないのです。

だからこそ若者はいまこそ「妖精作戦」を読まねばならないのです!

そして私は「妖精作戦」を紹介するのです!

妖精作戦

妖精作戦

妖精作戦

 

夏休みの最後の夜、オールナイト映画をハシゴした高校二年の榊は、早朝の新宿駅で一人の少女に出会う。小牧ノブ―この日、彼の高校へ転校してきた同学年の女子であり、超国家組織に追われる並外れた超能力の持ち主だった。彼女を守るべく雇われた私立探偵の奮闘むなしくさらわれてしまうが、友人たちは後を追い横須賀港に停泊する巨大原潜に侵入する。歴史を変えた4部作開幕。


新宿駅で切符の買い方が分からないほどの機械音痴の小牧ノブ。映画をハシゴした帰りの榊は見かねて彼女を目的地まで同行する。

しかし彼女には秘密があった。

彼女は超能力者だったのだ。

それも超国家組織に追われる並外れた力を有した超能力者で何やらその組織は彼女を「月」に連れて行こうと画策しているらしい。

組織は彼女を誘拐しようと様々な刺客を繰り出してくる。

それら魔の手から彼女を守るのは勿論主人公の榊、と思いきや榊は正直あまり活躍しないんですよね(笑)

活躍するのは榊のルームメイトで友人の沖田に真田。ノブのクラスメイトで新聞部部長の鳴海 つばさ。同じく新聞部部員で榊のルームメイト和田。そして自動車部部長の南部。こいつらが高校生とは思えない知恵と突飛な行動力でどうにか組織に対抗していきます。

しかしそこは矢張り高校生。学生の力だけではどうにもできないことがあります。そこを補うのが今回一番の苦労者であろう、私立探偵でノブのボディーガードの依頼を受けた平沢 千明。

輸出用のモンスターバイクCB1100Rをかっ飛ばし、ジャンパーの奥の357マグナムに手をのばし小牧ノブをさらった前の車に照準を合わせる。

その後ろを沖田がバイクで食らいつく。

小牧ノブは難なく取り返すことができたが……

小牧ノブは他の周りの人たちを巻き込ませないよう一人夜に寮を出た。

そのあとすぐに組織に連れ去られる小牧ノブ。

それをたまたま一部始終を見た榊は彼女を救うべく組織の組員に立ち向かうがその試みは呆気なく失敗に終わり榊も一緒に薬で眠らされ連れ去られていく。

連れ去られた先は横浜港に潜伏する巨大な潜水艦。

はたして彼らの目的は!?

読んだ感想

 
基本的三人称なのでこれと云って決まった人物の視点がある訳ではないのですが、だからと云って三人称は様々な視点が次々に変わる人称と云う訳ではありません。基本的には神の視点と云った絶対的俯瞰する傍観者が物語を語るのですがこの作品の三人称はとても多くの場面転換を見せそれと同時に物語展開を見せるのです。

そのことによってこの物語の圧倒的軽快なスピーディーさが如実になり物語展開によって世界観を飛躍的に壮大化させました。

それでいてその世界観の物語で動くのが個性的な面々。

このキャラクター性に富んだ登場人物たちがこの作品の最高の産物なのだと思います。

その時代こういった作品は少なかった。いやなかったと云っても過言ではありません。

それをまず始めたと云った点にこの作品に高い価値があります。

そして今と比べても何ら遜色ないストーリーにキャラクターと云うのがもう一つこの作品の高い価値を証明しています。

もしかしたら昨今のライトノベル作品よりも癖の強いキャラクターたちかもしれません。

そしてこの作品はそれまでの定番を踏襲しているともいえます。

それが典型的な物語の始まりであり核である「ボーイミーツガール」です。

最近では「君の名は」もこの定型に該当するのです。

つまり今でもこの形は大きな市民権を得ている訳です。

それらすべての面白要素を持った上でSF的な重厚感のある物語を軽快に展開している。

もしかしたらエンターテイメントでこの小説は大きな転換期を迎えさせ、具体的には分かりませんが今となっては当然となった価値観をまず初めにその壁をジャンプした作品かもしれません。まあ、ここら辺は私の憶測であり推測です。

そんな色んな事がてんこ盛りの作品「妖精作戦

是非読んでみてください。

最後に


ここまで読んでくださった方有難うございます。

今回はここまでです。

それではバイバイ(^_^)/~

妖精作戦

妖精作戦