西尾維新デビュー作!「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」
今回紹介するのは今や大人気作家として活躍される西尾維新さんの処女作にしてメフィスト賞受賞作!「クビキリサイクル 青色サヴァンと戯言遣い」です。
西尾維新さんと云えばアニメ化や映画化も果たした物語シリーズが有名ですがそのシリーズと同じくらいに、いやそれ以上に面白いシリーズがいわゆる戯言シリーズと云いまして、今回紹介する作品はそのシリーズの第一作と云う位置づけでございます。
この作品、なんといっても西尾維新先生独特の文章が面白いんです。巷で云う西尾節と云うのでしょうか? ラノベ調と云うか、この文章が自分の型にぴったり合えばすらすら読めてしまうページを捲る快感が味わえます。
だからと云ってストーリー自体が疎かになっているかと云うと、そんなことはありません。
しっかりミステリーとして数々のトリックが機能して、最後の解決のシーンはドキドキでした。
なのでこの作品、読みやすさもストーリーの良さも兼ね備えたとてもよくできたミステリー作品となっているのです。
孤島に集まるは天才たち
主人公の「ぼく」は友人の玖渚 友(くなぎさ とも)の付き添いとして孤島、「鴉の濡れ羽島」に訪れた。
孤島に訪れて三日目の朝、「ぼく」が寝床で目を覚ますところから物語は始まる。
そこでは今までに孤島で面識を持ったのであろう登場人物が続々と登場してくる。
孤島に立つ屋敷の住人のメイドさんたち、お嬢様、そして主人公と同じく屋敷に招待を受けた「天才」たち。
この天才がどいつも曲者揃いで、一人一人しっかりキャラが立っていて会話のシーンなど読んでいて飽きませんね。
海外の天才研究者に、天才画家、天才料理人に天才占術師(詳細は本編を読んでください)。
そんな天才たちの会合なのかで事件は起きます。殺人事件です。
殺害された被害者の姿は……
首なし死体。もう一つ首なし死体
大きな揺れ、地震が起きた後のことでした。
部屋の奥に首なしの死体が発見されたのです。
それも部屋のかしこにはおそらく地震で倒れたであろうペンキたちがそこかしこに倒れていました。
そしてふと不思議なことに気付きました。
死体は部屋の奥にあるのです。
しかしその死体に行き着くまでには倒れたペンキたちが行く手を阻んでいる。
ペンキはまだ乾いていない。
なのにペンキの上には足跡が一つもついていなかったのです。
これはどういうことでしょうか?
足跡をつけずに死体がいるところまで行き来するのは不可能です。
つまりこれは密室状態での殺人なのです。
不思議ですねぇ。地震は予期せぬ事態だったはずなので犯人は何か工作しようにもそうはいかなかったはず。
だったらどうやって足跡をつけずに殺害したのか。
一見不可能犯罪に見えるこちらの事件。
しかしこれが案外簡単なトリックでできていまして、これには私も「ああ、そうか!そうだよな」と本を手にしながら口に出していました。
みなさんこの事件の真相は知りたくありませんか?
知りたいなら、はい、すぐに読んでみましょう!
本当におススメの一冊ですよ。
と、なんだか締めに入りそうな勢いですが、みなさん、待ってください!
事件はまだ終わっていないのです。
そうです。また事件が起きてしまうのです。
それも今度は先の事件で一番怪しいとされた容疑者が首なし死体として発見されます。
そしてこれまた密室状態の部屋から。
立て続けに首なし死体に密室殺人、もうワックワクのドッキドキです。
そして今度は厄介なことにアリバイが複雑に絡まっていきます。
今回の事件を地震前の前回の事件と同一犯と考えるとアリバイが完全に無い人物が一人もいなくなってしまうのです。
これは困りましたね。
さて、「ぼく」はどうするのでしょうか。
その結末は皆さんの目で確かめてください!
そしてもう一つ最後の最後でまたもやどんでん返しが待っています。
それを告げるのは《人類最強》哀川 潤(あいかわ じゅん)。
最後の最後まで目が離せません!
読んだ感想
キャラクター小説とミステリー小説の綺麗な融合。どちらの要素もいい塩梅で両方一気に楽しめるのは読者冥利に尽きます。
有難うございます西尾維新先生!
そんなクローズドサークルで揺れ動いていく天才たちのぶっ飛んでいるけれども何だか理解できてしまう一面もあったりして、それらキャラクターたちにも必見ですが、なんといってもこの作品はミステリー小説としても高い水準を超えていると思います。
興味を持たれた方は是非ご一読を。
最後に
もう寝ます。明日は早いのです。
それではまた。( ´Д`)ノ~バイバイ
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