かぴばら先生は語る

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毎日を本とのおしゃべりで費やしておりますわたくしが今迄の読書体験で「これはイイ!」と感じた作品を紹介していきます。

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馬鹿々々しくもド直球の熱い青春「鴨川ホルモー」の絶大エネルギー

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万城目学、この作家どうにも捉え所がなく、理解しにくい作品ばかりを描かれる。

――のはずだ。

そう、そのはずなのだ。

なのに何故だろう? なぜ私たちはこうも彼の作品を愛するのだろうか?

それはおそらく彼の作品から滲み出る、否、溢れんばかりのエネルギーに圧倒され、私たちはついつい彼の作品を愛せざるを得ないのだ。

読んでしまう。読んでしまうんだよなあ~。

処女作の「鴨川ホルモー」と云う題名からこの作家の捉えどころのなさ、おかしさ、莫迦にしている感じがひしひしと伝わってくる。

しかし本編を読んでみたら……

「おお! こんな素晴らしい小説が! なんという緻密で繊細な文章なんだ!」

と心変わりすることは一切としてない。

本編を読んだところでその馬鹿々々しさは払拭しようのないくらいに不動のものとなる。

内容もおかしさ100%である。

ホルモーとは何ぞや? 鬼を従えて戦う? お前何でちょんまげなんだよ!

読み進めていけばいくほどにパニックは大きくなる。

なのに面白い。

これはもう作者を疑うより前に自分を疑いますよ。

何で私はこの作品を読んでニヤニヤしてページを繰り、悲しくなってため息をつき、淋しくなってまたもため息をつき、そして可笑しくって嬉々となるのだろうか?

この作品には絶対に魔物が棲んでいるのだ。

いや違う。

そこには意地悪な神がいる。そして鬼がいる。

ここまで記事を読んで「こいつ何をぬかしとんの? 容量得んな? はっきりしゃべれや!」と思っている常識ある(おそらく平々凡々とした生活を何の反発もなく過ごしている方なのでしょう)方々もいるでしょう。

しかしこの作品はそんな常識では測れませんよ。

だからおかしいんです。

だから面白いんです。

この作品を読んで理解できない人もおられましょう。

しかしそれも仕様のないことです。

皆が皆、絶賛を巻き起こす作品はありませんからね。

けれど、そのうえで私はこの作品を紹介します。

この作品は娯楽小説界の天才が書いたのです。

と云うことでいつもの語り口調とは少々異なった文体でしゃべってしまいましたが、ご安心を! ここからはまじめに紹介していきます。

では、説明していきましょう!

鴨川ホルモー

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

 

このごろ都にはやるもの、勧誘、貧乏、一目ぼれ。葵祭の帰り道、ふと渡されたビラ一枚。腹を空かせた新入生、文句に誘われノコノコと、出向いた先で見たものは、世にも華麗な女(鼻)でした。このごろ都にはやるもの、協定、合戦、片思い。祇園祭宵山に、待ち構えるは、いざ「ホルモー」。「ホルモン」ではない、是れ「ホルモー」。戦いのときは訪れて、大路小路にときの声。恋に、戦に、チョンマゲに、若者たちは闊歩して、魑魅魍魎は跋扈する。京都の街に巻き起こる、疾風怒涛の狂乱絵巻。都大路に鳴り響く、伝説誕生のファンファーレ。前代未聞の娯楽大作、碁盤の目をした夢芝居。「鴨川ホルモー」ここにあり。

 
と云うのがあらすじ。

まあ、これで内容を理解した人はそれこそ天才です。

二年の浪人生活を経てやっとのことで京大に入学できた主人公の安倍。

その安倍が春の葵祭で牛車引きのアルバイトをし、報酬をもらった後一人の帰国子女で同じ京大生の高村と出会う。

この高村が後のちょんまげ野郎である(と云ったところで何のことかさっぱりの方が大勢いることはお馬鹿な私でも察することができる。まあ本編を読めば分かるとしか云いようがない)

そんな高村と少々雑談をしていた時だ。

これが「ホルモー」とのファーストコンタクトであったことは後々に彼らが一番に理解し後悔する。

二人の男女がとあるサークルの新歓でビラを配りにきた。

そのサークル名が「京大青竜会

勧誘文句は「一緒にENJOYしませんか?」

如何にも胡散臭い。

しかし彼らは思い当たる何かがあったのか、それとも何か誘われるものがあったのか、「京大青竜会」の新歓コンパに向かうのだった。

そして彼らの逃れられない「ホルモー」の第一歩は踏み出された。

少しだけ皆さんの疑問を氷解していきましょう。と云っても一つしか答えませんが。

では一つだけ。

「ホルモー」とは? あの「ホルモン」との関係性が? について。


お答えします。

「ホルモン」とは一切関係ございません。

「ホルモー」とはこの現実世界とは異なった世界、異界の者「鬼」を操って相手側の「鬼」と戦わせて勝敗を競うと云うものです。

一人につき所持している「鬼」の数は百匹以上。

その「鬼」をすべて失った者は恥ずかしげもなく大声で、

「ホルモォォォォ――――!!!」

と叫ばなければいけない。

この叫びは逃れられない。我慢しようとそんなものは無駄に終わる。

叫ばざるを得ないのです。

もっと詳しく知りたい方は本編で確認してください。

(結局氷解とは何ぞ……?)

読んだ感想


「こうも愛おしい作品になろうとは」

読み終わった私がまず思ったことです。

読み始めた当初は「何だこの変てこなタイトルは! 何だこの馬鹿々々しい内容は!」こんな感じでした。

しかし読み終わったとき当初思っていたそんな感想は一瞬にして霧消してしまいました。

この作品はコメディとして最高の娯楽作品だと思います。しかし同時に最高の青春小説でもあるのです。

主人公が「京大青竜会」に居続ける理由は一目惚れした早良さんと一緒に居続けたいという純粋な気持ち。

そして他にも様々で且つ純粋な気持ちを思いはせる人物がたくさんいるのです。

ちょんまげ野郎の高村もなんだかんだ悩みに悩んで最初の方ではこいつ自殺とかしねぇだろうな? リストカットの痕があったら終わりだ、なんて思っていましたし。

その他にも早良さんと云う主人公が恋い焦がれる人物、こいつも最終的にやばい奴だったなあ。

そして楠木さん。この子が曲者です。最後の最後で彼女の気持ちを知ったときにはえも云われない感情に襲われました。


鴨川ホルモー」是非ご一読を!

最後に


恐らく今回の本紹介は駄文の駄文、めちゃくちゃになってしまっていると思います。

誠意をもって謝罪させていただきます。

しかしこれも仕方のないことなのです。

それほどにこの作品は説明しにくい。

本編を読まなければこの作品の良さと云うものはどうしたって感じられません。

ですから是非読んでみてください!

ここまで読んでくださった方有難うございました!

それでは( ´Д`)ノ~バイバイ

鴨川ホルモー (角川文庫)

鴨川ホルモー (角川文庫)

 
鴨川ホルモー

鴨川ホルモー